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サーモグラフィで窓を調査すると何が分かる?限界まで解説

サーモグラフィで窓を調査すると何が分かる?限界まで解説

「窓が冷たい気がする」「なんとなくこの部屋だけ寒い」。そう感じていても、どこが、どれくらい冷えているのかを言葉で説明するのは難しいものです。当社が現地調査でサーモグラフィカメラを使うのは、この「なんとなく」を数字と色に変えるためです。

この記事では、サーモグラフィで実際に何が分かるのか、そして何は分からないのかを、道具の限界まで含めて整理します。「測れば全部わかる」という話ではありません。

作成者 渡邉 超(一宮番匠株式会社 代表/エコ断熱工房 マドカラリノベ) 1級建築施工管理技士・2級建築士・愛知県木造住宅耐震診断員 プロフィール

作成日 2026年9月6日 最終更新日 2026年9月6日 本記事は2026年8月時点の情報です 読了時間 約8分

サーモグラフィカメラは、何を映していますか?

物の表面から出ている赤外線の量を、温度に変換して色で表示しています。温度が高いほど赤やオレンジ、低いほど青や紫に近い色で表示されるのが一般的な表示方法です。目には見えない温度差を、その場で可視化できるのが最大の特徴です。

当社の現地調査では、窓とその周辺を撮影し、サッシとガラス、壁との境目の温度差を確認します。「小さな窓だから関係ない」と思われていた場所が、実は最も冷えていたということも珍しくありません。

現地調査では、どんな順番で使いますか?

いきなりカメラを構えるわけではありません。お客様から伺った「困っている場所」を先に確認し、そのうえで撮影します。感覚と数字のズレを見るためです。「ここが寒いと思っていたが、実はこちらのほうが冷えていた」という発見が、現地調査の価値のひとつです。

お困りの場所を伺い、サーモグラフィで撮影し、感覚と数字を照らし合わせて対策の範囲を決めるまでの流れを4段階で示す図 図1 現地調査の進み方 STEP 1 お困りの場所を伺う どの部屋か いつ頃からか STEP 2 窓を撮影する サッシとガラス 周辺の壁との差 STEP 3 感覚と照らし合わせる 思っていた場所と 合っているか STEP 4 範囲を決める 優先順位 概算をお伝え 感覚だけでも、数字だけでもなく、両方をすり合わせるのが現地調査の役割です。 撮影の順番は現場の状況によって前後します。 出典:当社の現地確認の進め方(2026年8月時点)

小さな窓が、最大の原因だったこともあります

当社が江南市で施工した事例では、お客様が「小さな窓だから関係ない」と考えておられた腰窓が、サーモグラフィで確認するとLDK全体の寒さの最大の原因でした。雨戸を閉めていても、アルミの枠やガラスを通じて冷気は伝わります。目で見ただけでは、この事実には気づけません。

出典:当社の施工事例(江南市|LDK腰窓の内窓設置・2026年6月公開/2026年8月22日確認)

色の見方に、決まりはありますか?

メーカーや設定によって色の割り当ては変わりますが、多くの機種では赤やオレンジに近いほど温度が高く、青や紫に近いほど温度が低いという表示が使われます。当社が撮影した画像でも、窓のサッシ部分が青く表示されていれば、そこが周囲より冷えているというサインです。

ただし色そのものの絶対的な基準はなく、同じ青でも、設定によって指している温度は変わります。大切なのは色の名前ではなく、同じ画像の中で窓と壁、窓とサッシを見比べたときの差です。当社が現地でご説明する際も、色の意味より「どこと比べて冷えているか」を中心にお伝えしています。

冬と夏で、見え方は変わりますか?

変わります。冬は室内の暖かい空気が窓の冷たい面に触れて温度が下がるため、窓が周囲より青く(低温に)映りやすくなります。夏は逆に、日射を受けた窓が周囲より赤く(高温に)映ることがあります。

同じ窓でも、季節によって見え方の傾向は逆になる、という点は覚えておいていただくとよいと思います。当社の現地調査は季節を問わず承っていますが、冬の寒さでお困りの場合は冬に、夏の暑さでお困りの場合はその季節に近いタイミングで確認するほうが、体感に近い状態を撮影できます。

サーモグラフィで分からないことも、ありますか?

あります。表面温度は分かりますが、壁の中の断熱材の有無は直接映し出せません。表面温度から間接的に推測できる場合はありますが、断熱材そのものの写真を撮っているわけではないという点は誤解されやすいところです。

サーモグラフィで分かる表面温度の分布と、直接には分からない壁の中の状態を対比して示す図 図2 サーモグラフィで分かること・分からないこと 分かること 直接には分からないこと 窓・サッシの表面温度 どこが特に冷えているか カーテンの内外の差 対策前後の比較 壁の中の断熱材の有無 構造上の隙間の場所 数値そのものの絶対的な正確さ 将来の光熱費の金額 「測れば全部わかる」ではなく、道具には得意な範囲と苦手な範囲があります。 直射日光が当たっている状態では、日射の影響が数値に混ざることがあります。 出典:一般的なサーモグラフィカメラの特性に基づく整理(2026年8月22日)

もうひとつ、数値そのものに一喜一憂しすぎないことも大切です。撮影条件(外気温、日射の有無、風の強さ)によって表示される温度は変わります。大事なのは絶対値ではなく、窓と窓、部屋と部屋を比べたときの相対的な差です。

サーモグラフィの結果は、見積りにどう反映されますか?

撮影した結果をもとに、どの窓を優先的に対策すべきかの順位付けをします。冷えの強い窓から手を入れることで、限られたご予算でも効果を実感しやすくなります。すべての窓を一度に、という進め方だけが正解ではありません。

サーモグラフィの結果が対策の優先順位に関わる範囲と、金額そのものを決めるわけではない範囲を示す図 図3 撮影結果が見積りに関わる範囲 対策する窓の優先順位 結果が直接関わる 窓の性能区分の選び方の参考 判断材料のひとつ 最終的な金額そのもの 製品と数量で決まる 撮影結果は判断材料であり、金額を自動的に決める計算式ではありません。 影響の大きさを示す考え方の図で、比率を実測した数値ではありません。 出典:当社の見積りの組み立て方に基づく整理(2026年8月22日)

最終的な金額は、窓の枚数・サイズ・選ぶ製品の性能区分によって決まります。サーモグラフィの結果は「どこから手を付けるか」を決める材料であり、金額そのものを決める計算式ではありません

他社の見積りと、結果を比べることはできますか?

他社の現地調査でも同様の測定をしている場合、結果を比べていただくこと自体は問題ありません。ただし測定条件(外気温・日射の有無・時間帯)が違うと、単純な数値の比較は難しくなります。当日の天候や時間帯もあわせてご確認いただくと、より正確な比較ができます。

当社は、他社の見積りをお持ちいただいてのご相談を承っています。サーモグラフィの結果そのものより、その結果からどんな提案をしているかを見比べていただくほうが、判断の材料としては役立つと考えています。

サーモグラフィは、工事のあとにも使いますか?

使うことがあります。工事の前後で同じ場所を撮影して比較すると、変化が数字と色で見えるためです。感覚では「変わった気がする」というところにとどまりがちな内容が、画像として残る形になります。

ただし当社は、すべてのお客様に工事後の再撮影を必須にしているわけではありません。ご希望に応じてご案内しており、記録として残しておきたい場合はご相談時にお申し出ください。再撮影を行うかどうかで、工事の内容や金額が変わることはありません。

第三者に説明するときにも、使える資料になります

ご家族やご両親に工事の必要性を説明する際、「なんとなく寒い」という言葉だけでは伝わりにくいことがあります。サーモグラフィの画像は、言葉で説明しづらい体感を、見て分かる形にする役割も果たします。当社にご相談いただく際、撮影した画像をお渡しすることも可能です。

補助金の申請書類として直接使えるものではありませんが、ご家族内での意思決定を後押しする資料として活用いただいているケースはあります。当社としても、無理に急がせるための道具として使うことはしません。ご納得いただいたうえで次に進んでいただくための材料です。

現地調査を受ける前に、準備しておくことはありますか?

特別な準備は必要ありません。ただし普段どおりの生活の状態で見ていただくほうが、正確な情報が得られます。調査のために窓の前を片付けたり、カーテンを開け閉めしたりする必要はありません。

強いてお願いするなら、「いつ、どの部屋が、どんなふうに困るか」を思い出せる範囲でメモしておいていただくことです。朝なのか夜なのか、暖房をつけているときかどうかで、原因の見え方が変わることがあります。

サーモグラフィカメラは、市販のものと業務用で違いますか?

市販の簡易なものと、業務用のものでは、解像度と温度の分解能(細かい差を見分ける精度)が異なります。当社が現地調査で使用しているものは業務用の機材で、窓とサッシの境目のような細かい部分の温度差も確認できる仕様です。

市販の簡易なサーモグラフィをスマートフォンに取り付けて自分で確認する、という方法もあります。大まかな傾向をつかむには十分ですが、細かい部分の温度差までは見分けにくいことがあります。ご自身で確認された結果と、当社の現地調査の結果が食い違う場合は、機材の精度の違いが理由のひとつかもしれません。

出典:一般的なサーモグラフィカメラの仕様に基づく整理(2026年8月22日)

我が家の状態は、現地調査でどこまで分かりますか?

当てはまる項目が多いほど、現地調査で明確な原因が見つかりやすい状態です。下のチェックは診断ではなく、状況を整理するためのものです。

現地調査で分かりやすい状態かを見分けるチェック(6項目)

当てはまるものにチェックを入れてください。個人情報の入力はありません。

当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。

当てはまった数でみる読み取り方
当てはまる数読み取り方
0〜1個状況がまだ漠然としている段階です。まずはお困りの内容を教えてください。
2〜3個手がかりが揃いつつあります。現地調査で原因の場所を特定しやすい状態です。
4〜6個情報が豊富に揃っています。サーモグラフィでの確認により、精度の高い提案がしやすくなります。

一宮市とその周辺への対応について

当社が施工事例ページで公開している主な施工対応エリアは、一宮市・名古屋市・江南市・稲沢市・岩倉市・犬山市・北名古屋市・扶桑町・大口町です。その他の周辺エリアも柔軟に対応しています。ご相談と現地調査は無料で、その場で契約をお願いすることはありません。

出典:当社の対応エリア(施工事例一覧掲載の「主な施工対応エリア」・2026年8月22日確認)

賃貸や集合住宅でも、確認できますか?

確認自体は可能です。ただし賃貸の場合、窓の性能を変える工事(内窓の設置など)には貸主の許可が必要になることがあります。サーモグラフィでの現地調査は状態の確認にとどまり、工事の可否とは別の話です。許可の要否については、まず貸主または管理会社にご確認ください。

新築の家でも、確認する意味はありますか?

あります。新築だから断熱性能が万全とは限りません。施工の状態や、選ばれた窓の性能区分によって差が出ることもあります。「新築なのに、なぜか冬に寒い部屋がある」というご相談も、当社では実際に伺っています。

築年数の新しさは目安のひとつですが、確認せずに「新しいから大丈夫」と決めつけるのは早計です。気になる部屋があれば、築年数にかかわらず一度確認してみることをおすすめします。

サーモグラフィを使った現地調査について、よくいただくご質問は?

一宮市とその周辺のお客様から実際に伺った質問をまとめました。サーモグラフィという道具の特性について、当社が把握している範囲で正直にお答えしています。

サーモグラフィで見ると、何が分かりますか?
窓やサッシなど、表面の温度分布が画像で分かります。どこが特に冷えているか、あるいは熱を持っているかを、色の違いで確認できます。

サーモグラフィで、壁の中の断熱材の有無も分かりますか?
表面温度から間接的に推測できる場合はありますが、断熱材の有無そのものを直接映し出す道具ではありません。壁の中を確認する場合は、別の方法が必要になることがあります。

曇りの日や雨の日でも、サーモグラフィは使えますか?
使えます。温度差を見る道具なので、天気に左右されにくいのが特徴です。ただし直射日光が当たっている状態だと、日射の影響が数値に混ざることがあります。

サーモグラフィの結果は、見積りに影響しますか?
影響します。どの窓がどれだけ冷えているかを踏まえて、対策の優先順位や範囲をご提案するためです。ただし数値そのものが金額を自動的に決めるわけではありません。

見積りだけをお願いすることはできますか?
できます。ご相談と現地調査は無料で、その場で契約をお願いすることはありません。他社の見積りを持ってのご相談も承っています。

数字を見たあと、何を決めますか?

サーモグラフィの結果を見て終わりではありません。その結果をもとに、どこまで対策するかを一緒に決めるのが現地調査の後半です。全部やる、一部だけやる、様子を見る。どの選択も、結果を見てから判断していただけます。

01優先順位|最も冷えていた窓から手を付けるか

02範囲|どこまでを今回の対象にするか

03予算|ご予算に応じて段階的に進めるか

04時期|いつまでに終えたいか

この4点を、撮影結果を見ながら一緒に整理していきます。無理な範囲を提案することはありません。

サーモグラフィは、あくまで判断のための道具です。撮影して終わりではなく、その結果をどう使うかが本題だと当社は考えています。数字や色に驚いていただくためのデモンストレーションではなく、ご自宅の窓について、ご自身で納得して決めていただくための材料としてお使いください。

気になる部屋が複数ある場合は、一度の現地調査でまとめて確認することも可能です。部屋ごとに何度も調査日を分ける必要はありません。ご自宅全体の状態を、一度に把握していただけます。

現地調査にかかる時間は、住宅の規模によって変わります。当社から一律の所要時間をお伝えすることはできませんが、お困りの部屋だけであれば短時間で確認できます。長時間かかることを心配される必要はありません。

ご自宅の窓を、サーモグラフィで確かめる

「なんとなく寒い・暑い」で構いません。現地調査ではサーモグラフィカメラで窓の表面温度を確認し、対策の優先順位と概算をお伝えします。ご相談と現地調査は無料です。

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