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伊吹おろしで家が寒いときの対策は?北西の窓から見直す3段階

伊吹おろしで家が寒いときの対策は?北西の窓から見直す3段階

11月の終わりごろ、風の当たり方が変わったと感じる日があります。濃尾平野の冬は、北西から吹き下ろす季節風——このあたりで「伊吹おろし」と呼ばれる風——とともに始まります。

気温そのものは氷点下が続くほどではないのに、外に出ると想像より寒く感じる。家の中でも、北や西を向いた部屋だけが暖まらない。この記事では、その体感が何から来ているのかを気象データで確かめ、窓でできる対策を段階ごとに整理します。

作成者 渡邉 超(一宮番匠株式会社 代表/エコ断熱工房 マドカラリノベ) 1級建築施工管理技士・2級建築士・愛知県木造住宅耐震診断員 プロフィール

作成日 2026年8月27日 最終更新日 2026年8月27日 本記事は2026年8月時点の情報です 読了時間 約7分

伊吹おろしが吹く時期、風はどちらから来ますか?

一宮市には気象台がないため、最寄りの名古屋地方気象台の平年値で確かめます。11月から3月までの最多風向は、5か月すべて北北西でした。冬のあいだ、風向きはほぼ一方向に固定されるということです。平均風速は3月が3.5メートル毎秒で最も強く、1月3.1、2月3.4と続きます。

冬期と夏期の平均風速の幅を比較し、冬のほうが風が強いことを示す図 図1 冬の平均風速の幅(名古屋・平年値) 2.6 m/s 3.5 m/s 11月(2.6)から3月(3.5)まで。夏の6〜8月は2.7〜2.9で、冬のほうが強い月が並びます。 一宮市には気象台がないため、最寄りの名古屋地方気象台の値を目安としています。 出典:気象庁「過去の気象データ・平年値(名古屋・1991〜2020年の30年平均)」(2026年8月21日確認)

風向きが固定されると、冷える窓も固定されます

冬の風向きが北北西で一定だということは、同じ窓が毎日ひたすら冷やされ続けるということでもあります。「北側の部屋だけ暖まらない」「西日は入るのに西の部屋が寒い」という体感は、この向きの偏りと重なります。一方、南や東を向いた窓は、同じ住宅でも条件が違います。家全体が均等に寒いのではなく、向きによって差がついているというのが、冬の住まいの実際の姿です。

出典:気象庁「過去の気象データ・平年値(名古屋・1991〜2020年の30年平均)」(2026年8月21日確認)。風向は月ごとの最多風向、風速は月平均。

気温のわりに寒く感じるのは、なぜですか?

名古屋の1月の平均気温は4.8度、日最低気温の平年値は1.1度です。数字だけ見れば、氷点下が続く地域ではありません。それでも寒く感じる理由は、体が感じる温度が、空気の温度だけで決まっていないからです。風が当たれば体の表面から熱が奪われ、冷たい面が近くにあれば、そちらへ熱が逃げていきます。

風が当たる場合と冷たい面が近くにある場合で、体感がどう変わるかを対比して示す図 図2 同じ気温でも、寒さの感じ方が変わる条件 体感が下がりやすい条件 体感が保たれやすい条件 風が直接当たる 冷たい面が近くにある 足元に冷気がたまる 上下の温度差が大きい 直接の風が当たらない 面の温度差が小さい 床付近の冷えが弱い 部屋の上下差が小さい 室温が同じでも、窓際にいるかどうかで感じ方は変わります。 感じ方には個人差があり、住宅の構造・窓の面積・暖房機器によって変わります。 出典:当社の現地調査での説明(2026年8月時点)

窓は、家の中でいちばん外に近い面です

壁には断熱材が入っていますが、窓はガラスとサッシだけで外と接しています。国の補助制度が窓の性能を熱貫流率(Uw値)で区分しているのも、ここが熱の通り道になるからです。先進的窓リノベ2026事業では、内窓の性能区分をP(SS)=Uw 1.1以下、S=Uw 1.5以下の2段階で定めています。数値が小さいほど熱が伝わりにくいという意味です。

出典:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト「対象工事の詳細【内窓設置】」(2026年8月21日確認)

北西の窓に、どんな対策がありますか?

対策は「どこまで手を入れるか」で段階が分かれます。手軽な順に並べると、すき間をふさぐ、窓の手前に一枚はさむ、窓そのものの性能を上げる、の3段階です。それぞれ効く範囲が違うため、前の段階で足りなかったから次へ、という進み方になります。

段階 主な方法 効く範囲
すき間をふさぐ隙間テープ・戸当たりの調整サッシのすき間から入る空気。ガラス面の冷えは残る
一枚はさむ厚手のカーテン・断熱シート・気泡シート窓とカーテンの間の空気。ガラスとサッシの温度は変わらない
窓の性能を上げる内窓の設置・ガラス交換・窓交換窓全体の熱の出入り。結露や上下の温度差にも関わる

「厚手のカーテンに替えたけれど、あまり変わらなかった」というご相談をよくいただきます。カーテンは窓とカーテンの間の空気を止めますが、ガラスとサッシが冷える状態そのものは残ります。朝の結露が続いている場合は、窓側に原因が残っている可能性が高い段階です。

江南市の事例|北西向きではなく、雨戸を閉めた小窓が原因だった

ただし、原因はいつも「向き」だけとは限りません。当社が江南市で伺ったお住まいは、ご家族が集まる開放的なLDKで、リビングの足元の寒さに悩まれていました。注目したのは、ソファの真後ろにある腰窓です。お隣との距離が近く透明ガラスだったため、普段は雨戸を閉めっぱなしにされていました。

お客様は当初「常に雨戸を閉めているし、小さな窓だからここはリフォームしなくてもいいかな」と考えておられました。ところがサーモグラフィカメラで撮影すると、この窓こそが寒さの最大の原因でした。雨戸を閉めていても、枠やガラスを通じて冷気は室内へ入ってきます。この住宅では腰窓に内窓を設置し、工事は1日で完了しました。

「新設した内窓を開けると、朝は日の当たる雨戸の熱を、夜は外の冷気を感じ、室内との寒暖差に驚いています。この時期で窓断熱の性能を実感しているので夏と冬が楽しみです。」

出典:当社の施工事例(江南市|LDK腰窓の内窓設置・2026年6月公開)。お客様の声は公開ページに掲載しているアンケートの原文です。お客様個人の感想であり、効果の感じ方には個人差があります。

我が家は、どの段階まで手を入れる必要がありますか?

当てはまる項目が多いほど、すき間やカーテンではなく窓そのものを見る段階に来ています。下のチェックは診断ではなく、ご相談の前に状況を整理するためのものです。

北西の窓のセルフチェック(6項目)

当てはまるものにチェックを入れてください。個人情報の入力はありません。

当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。

当てはまった数でみる読み取り方
当てはまる数読み取り方
0〜1個すき間の調整で足りる段階かもしれません。冷える場所と時間帯を書き出してみてください。
2〜3個窓の面が冷えている可能性があります。ガラスが1枚か2枚か、まず確かめてください。
4〜6個カーテンやシートでは届かない範囲に原因がある可能性があります。窓の性能そのものを確認する段階です。

一部屋だけ、窓1か所だけでも構いません

家じゅうの窓をまとめて工事しなければならない、ということはありません。当社では一部屋断熱のように、よく使う部屋に絞った進め方も承っています。江南市の事例のように、腰窓1か所から始めて体感が変わることもあります。

チェックが少なくても、相談していただけます

このチェックは冬の北西風を中心に組み立てています。当てはまる項目が少なくても、夏の暑さや結露、外の音が気になるなら、そちらを入口にしていただいて構いません。内窓は季節を問わず、窓まわりの熱と音の両方に関わる工事です。「今すぐ工事をするつもりはないが、うちの窓がどういう状態なのかは知っておきたい」というご相談も、めずらしくありません。

伊吹おろしと窓について、よくいただくご質問は?

一宮市とその周辺のお客様から実際に伺った質問をまとめました。住宅の状態によって答えが変わるものもあるため、気になる点は現地を確認したうえでお答えしています。

伊吹おろしが強い日は、家の中でも風を感じるものですか?
気密が下がっている住宅では、サッシのすき間や戸当たりから空気が動くことがあります。ただし「風を感じる」原因はすき間だけでなく、窓際で冷えた空気が下へ降りる流れの場合もあります。

カーテンを厚手にすれば、北西の窓の冷えは収まりますか?
カーテンは窓とカーテンの間の空気を止める役目を果たしますが、窓ガラスとサッシそのものが冷える状態は変わりません。朝の結露が続く場合は、窓側の対策を検討する段階です。

隙間テープや断熱シートでも効果はありますか?
手軽に試せる方法ですが、対象はすき間や単板ガラスの一部に限られます。窓全体の熱の出入りを抑える工事とは範囲が異なるため、「試したが変わらなかった」という場合は原因が別にあることもあります。

北西向きの窓だけを工事することはできますか?
できます。当社では一部屋だけ、あるいは窓1か所からの工事も承っています。実際に、リビングの腰窓1か所の内窓設置で体感が変わった事例があります。

工事は何日くらいかかりますか?
当社が公開している内窓の施工事例は、いずれも工期1日で完了しています。窓の数や現場の状況によって変わるため、現地を確認したうえでお伝えします。

冬が本格化する前に、何をしておきますか?

風向きが北北西に変わる11月ごろが、確かめるのにちょうどよい時期です。真冬になってからでは、工事の日程が寒さのピークに間に合わないことがあります。

風向きの変化に気づいてから、窓の向きと仕様を確認し、対策の範囲を決めるまでの流れを4段階で示す図 図3 冬までに確かめておく手順 STEP 1 風向きが変わる 11月ごろ 北西の風が続く STEP 2 冷える部屋を絞る どの部屋か どの時間帯か STEP 3 窓を確かめる 向き・ガラスの枚数 サッシの素材 STEP 4 範囲を決める 1か所か 一部屋か 真冬の前に確かめておくと、工事の日程を寒さのピークに合わせられます。 窓の仕様が分からなくても構いません。現地で一緒に確認します。 出典:当社の現地確認の進め方(2026年8月時点)

ご相談と現地調査は無料です。その場で契約をお願いすることはありません。他社の見積りを持ってのご相談も承っています。

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